IT業界を支えているのはIT企業という名の派遣会社と派遣SE

システムエンジニアの世界は、派遣社員で成り立っている。

と言っても過言ではないのです。

なぜIT業界は派遣社員が多いのか?なんで派遣会社がイッパイあるのか?を解説します。

IT業界の仕組み

大手SIer

IT業界って大手の建築会社のゼネコンと同じ。そう考えてもらうとわかり易い。

例えば大規模なビルの建設って小さな工務店じゃ到底無理です。

まず設計しなきゃいけないし、基礎工事が必要だし、バカでかいクレーンが必要だし、

コンクリを打ち込む土木会社を手配したり、電気、ガス、水道、左官、配管、ガラス、サッシ、空調、床などなど。

ありとあらゆる専門業者をかき集めないとビル1つ作れない。

そんなの体力のある大手ゼネコンしかできないから、

ゼネコンが仕事を受注し、下請け、孫請けに仕事を振り、一つの現場が完了したら次の現場へ。

これが建設業界の仕組み。

実はIT業界も同じ仕組みだったりする。

数十億円規模の大規模構築案件などになると、

とても小さなIT企業じゃ賄える訳が無い。

緻密な要求仕様に基づく要件定義、データセンターの確保、

インフラ周りの整備、データベース構築、セキュリティ構築、

ネットワーク構築、アプリケーション設計・構築などなど。こ

んなことが出来るのは大手のSIerだけ。

だから大手のSIerが仕事を受注し、それぞれの専門家をかき集め一つの案件を完了させる。

そして終わったら要員をリリースし次の案件に向かう。そんな流れ。

正社員では無理なのか?

大手SIerは派遣SEなんか使わずに自社で正社員を雇えばいいじゃん。

と思われるかもしれないが、それだとSIerは利益が出ない。

日本の労働法では、一度正社員として採用してしまうと解雇することが非常に難しい。

大手SIerだって年がら年中大規模案件を受注できる訳ではない。

ライバル会社との奪い合いの末、ようやく受注できるもの。

だから案件が無いときは極力無駄な人件費は抑えたい。

だからこそ忙しいときだけ便利に調整できる派遣社員を使うって事。

派遣会社

そんな大手SIerに人材を提供するのが派遣会社。

えぇ?システムエンジニアってみんな非正規の派遣社員なの?

と思うかもしれないが、実はシステムエンジニアの多くは非正規の派遣社員ではなく、

正社員の派遣社員なのだ。

実は派遣には一般労働者派遣事業(以下一般派遣))

と特定労働者派遣事業(以下特定派遣)に分かれています。

一般派遣が俗に言う派遣会社で、派遣登録した派遣社員を派遣先に配属させる事業。

一般派遣の社員は、派遣先の仕事が終わったら次の派遣先が見つかるまで収入がなくなる。

一方特定派遣は、派遣会社が正社員として社員を採用し、その社員を派遣先に配属させる。

だから派遣先の仕事が無くなっても待機社員と言う名目で収入は無くならない。

特定派遣は正社員として社員を採用するため安定感がある、

だから届出だけすれば誰でも事業を始めることが出来る。

一方、一般派遣は非正規の社員で安定感がないから事業を始めるには許可が必要。

だから特定派遣事業は事業を始めやすく、社員数数名の会社もボコボコ設立された。

だからIT企業のような名前だけど実体は派遣会社という会社が数多く存在しているのです。

ちなみにSEの場合、一般派遣の社員が4万人、特定派遣の社員が6万人とも言われている。

尚、平成27年9月の派遣法改正に伴い特定労働者派遣事業は廃止されたため、

新規の派遣事業は全部一般派遣になります。

未経験のSEを募集している会社

上記の事柄を見てもらえば大体理解されたと思われますが、

未経験のシステムエンジニアを募集している会社というのは大体は派遣会社。

未経験でもいい、少しずつ経験を積ませて売り上げを上げられる人材に成長させるため、

派遣会社は若い人達を奪い合う。

もう若い人がいないのなら、少しくらい年取っててもいいと30代でも募集をかける。

それほど人の奪い合いが発生する派遣会社。

派遣会社の売り上げの根本となるのは人材だから当たり前の話なんだけど。


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です