今季、中日ドラゴンズに移籍した松坂大輔が日本で4209日に先発し、5回3失点とゲームを作ったが残念ながら勝利には繋がらなかった。
その松坂大輔が1999年に流行させた言葉がリベンジ。
当時西武ライオンズだった松坂大輔がロッテのエース黒木と投げ合い敗北。
その復讐を見事次回登板で果たしたという西武ファンにはスカッとする復讐劇。
そして2013年の流行語になったのが「倍返し」。
最終話は視聴率42%超という空前の大ヒットとなったドラマ半沢直樹の劇中で使用されたセリフです。
やられたらやり返す倍返しだ!というスカッとする展開に日本中が魅了された。
ですが、現実社会ではスカッとする復讐劇なんてあり得ないのです。
嫌なヤツからされた仕打ちをやり返そうなんて行為は、時間の無駄でしかないんです。
リベンジなんてない
屈辱の言葉
ある日、当時の取締役総務部長から呼び出しを受けた。
「お前さぁ、最近たるんでるんじゃない?
結婚前はもっとパフォーマンスも高かったし、会社にも協力的だったよ。
結婚して子供が出来てから普通の社員になっちゃったじゃん。
このままじゃ示しがつかないから降格ね。もちろん減給。
結婚しなきゃ良かったんじゃない?
お前の嫁下げマンだったよね。」
この言葉嘘でもなんでもなく本当に数年前私自身が言われた言葉だ。
私は、何も会社に損失を与えていないし、大きな失敗をした訳ではない。
ちょっと独身時代より会社への貢献度が下がってしまったが、子供が小さい頃なんだからそれは仕方がない。
ただそれだけなのに、降格処分という屈辱を受けた。
収入も月額で10万円近く減給された。
悔しかった。
このデブ総務部長め!
今に見てろ!
絶対に立場を入れ替えてリベンジしてやる!
と心に誓ったことを覚えている。
その後、私は猛勉強をして難関国家資格を取得した。
さらに実業務では大手取引先を契約件数を伸ばし、会社に多大なる利益をもたらした。
一方のデブ総務部長は、能力不足を社長から指摘されるようになり、数年後に平部長へ降格。
そこから転げ落ちるように課長から平社員まで降格されていった。
逆に会社に大きな貢献をした私はどんどんと出世街道を逆戻り。
結局取締役の座まで登り詰めたのだ。
でも、その時自分には何の感情もなかった。
当時あれだけムカついたデブ総務部長が転げ落ちていっても「ざまぁみろ」なんて感情は一切なかった。
それよりも、あの時指摘されたおかげで苦しい勉強を乗り越え国家資格も取得できたし、売り上げも伸ばすことが出来た。
もうそうなるとデブ総務部長には感謝の気持ちしか芽生えなかった。
リベンジなんて意味がない
ムカつく奴
自分を苦しめる奴
自分に被害を与えた奴
そんな奴らには復讐してやりたい!
こいつらを絶対に不幸にしてやりたい!
と思うかもしれないが、実際のところそんなにうまくはいかないもの。
例えばムカつく上司を陥れたい。
上司のウラを調べたり、上司の不手際をついたり、プライベートを調査しつくしたり。
そんな苦労をして会社の上層部に密告。
上司は不正がバレてしまい失脚。
そんなのは小説の中の出来事です。
仮にうまくいったにしても自分にメリットなんか何もない。
やってやった!というちょっとした満足感が残るだけ。
そんなもの時間の無駄でしかありません。
イヤなヤツ、アホな奴とは距離を置く。
戦わないことが一番なんです。
スカッとする話なんて街中にはそうそう溢れていません。
あり得ない話だからスカッした話なんてテレビ番組が出来上がる。
あり得ないから水戸黄門のような勧善懲悪のドラマが長く人気が出るんです。
リベンジなんて自己満足でしかなく、何にも利益を産み出さない。
どうしても許せない奴がいつのなら、そんな奴の事は記憶から無くす努力をすること。
それが一番自分が幸せになれる方法なんだろう。