2018年4月13日、亡くなられた映画監督高畑勲氏を悼んで故人が手掛けたアニメーション映画「火垂るの墓」が放送されました。
例年であれば、夏場の戦争記念日近くに戦争を風化させない意味も込めて放送されますが、今年はちょっと早い春先での放送となりました。
何度見ても悲しくなり、子供が出来てからは尚更。
毎回ツラくなるから見ないようにしているんですが、なんとなくチャンネルを合わせて見てしまうのです。
さて、ここから本題に入ります。
私は火垂るの墓を見るたびに思うことがあるのです。
清太よ!なんで親戚の家を出てしまったんだ!と。
火垂るの墓と独立の難しさ
清太の決断
火垂るの墓の詳細のあらすじは、Wikipediaを参考にして下さい。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%81%AB%E5%9E%82%E3%82%8B%E3%81%AE%E5%A2%93
神戸の大空襲で母親を失い、父親は戦争の真っただ中。
身寄りを無くした清太とまだ4歳の幼い妹節子は、遠い親戚の家に厄介になることになる。
最初は可愛がられていた清太と節子だったが、次第におばさんからのイヤミや嫌がらせが悪化していく。
その処遇に耐えられなくなった清太は、幼い節子を連れて家を出る決断をして誰もいない防空壕で生活を始める。
映画のクライマックスシーンともいえる、清太と節子が一面の蛍に囲まれた最も幸福なシーンがこの瞬間訪れる。
だが幼い二人が、ましてや戦時中という大混乱の中、暮らしていけるほど世間は甘くない。
育ち盛りにも拘らずまともな食事を与えてもらえない節子は、極度の栄養失調状態となりやがて衰弱していき、4歳という年齢で生涯を終えてしまう。
なんて悲しいストーリーなんだ。
こんな名作に文句をつけるつもりは1ミリもない。
だけど言いたい!
清太よ!
君が家を出なければ、少なくとも二人の命は救えたんじゃないか?
もう少し我慢していれば、なんとか生活することは出来たんじゃないか?
おばさんは悪者なのか?
この映画で悪役とされているのが親戚のおばさん。
強烈なイヤミとあからさまな差別。
もしこんな上司がいたらパワハラどころか人格そのものを否定されてしまうほどの人物だろう。
だけど本当に親戚のおばさんは悪者なのだろうか?
ネット上ではおばさんは悪いけど本当に悪いのはおばさんじゃないという意見もあるようですね。
https://matome.naver.jp/odai/2143845321984787701
いろんな意見があるとは思うが、私の意見としては居候なんだからこんな扱いを受けるのは当たり前なんじゃないか?と思う。
戦時中、家族が暮らしていくだけで精一杯だというのに、ある日突然遠い親戚の礼儀も知らない兄妹の面倒を見なければならなくなった。
いざ世話をしてみたら家の手伝いもしないし、さらに自分の意見だけをぶつけてくる。
こんな態度であればせっかく面倒見てやってるのに愛想よくなんてしてられない。
そりゃ元々性格が悪いのかもしれないけど、おばさんの態度だって徐々にきつくなってくるもんでしょ。
だからね、どんな仕打ちを受けようが、雨風凌げる場所がある、満足とは言えないが食事の世話もしてもらえる。
こんな環境を自ら捨ててしまってはイケないよ。
自分一人で生きていける訳がないんだから、どんな待遇でもしがみつかなければイケない。
幼い妹を守るためだったら尚更。
もし居心地が悪いのであれば少しでも良くする努力をすべきなんじゃなかろうか。
絶対に軽い気持ちで飛び出しちゃダメなんだと!私的には思ってしまう。
転職か?独立か?
40代で会社を辞める事を決意し一時は独立を考えた。
辞める前、辞めた直後は独立しか頭になかった。
しかし転職市場に身を置いてみるとオファーの嵐。
その波に乗っかり気持ちは徐々に転職へと傾いていった。
独立するメリットは山ほどある。
だけど40代の家族持ちサラリーマンであれば、そのメリットを凌駕するほどリスクは大きくなる。
40代までサラリーマンを出来た人というのは、サラリーマンの才能がある人。
そんな人は無理して独立という選択肢を選ぶ必要はない。
もちろん20代、30代前半でどうしてもサラリーマンは出来ないというのであればこの人たちのようにどんどん独立すべき。
【サラリーマンは時間を売り、経営者は商品を売る】
ぼくら経営者は何を売っているのか?
「自分の商品」を作って売っているんです。
ゆえに、重要なのは「商品が売れるかどうか」。
売れれば利益が手に入るし、売れなければ赤字。
労働時間は関係ないのです。
これはサラリーマンとの大きな違い。 pic.twitter.com/qo0t00Vfe9— ikehaya | Blockchain (@IHayato) 2018年4月12日
良く言われる事について、会社辞めた立場から書きました / 他16コメント https://t.co/Zvy0Cz0YgA “独立後言われる「今は良くても20年後や30年後は大丈夫なの?」について – 今日はヒトデ祭りだぞ!” https://t.co/u7jx2QlvSZ
— ☆←ヒトデ (@hitodeblog) 2018年2月8日
失敗してもいくらでもチャンスはあるし、今の時代会社勤めをしなくても収入を得る方法は山ほどあるし。
でもね、40代家族持ちのサラリーマンは失敗してもイイじゃんって立場じゃない。
とにかく家族だけは守らないとイケない。
のであれば、サラリーマンなんて報われない環境だけどその環境を死守すべきなんじゃないでしょうか?
サラリーマンを続ける以上、いいことなんてほとんどない。
上司なんて親戚のおばさんのようにイヤなヤツばかりだし。
毎日満員電車に揺られなきゃイケないし。
でもね、時間を切り売りするサラリーマンは、逆に言えば時間だけ与えてやればお金をもらうことが出来る。
会社に自分の時間を提供さえすれば簡単にはクビにならない。
それでいて休日や福利厚生、社会保険や雇用保険などセーフティーネットも万全に用意されている。
こんな環境を自ら捨ててはイケません。
ホンキで独立したいのであれば、人生100年の時代。
子供が巣立ってからでも十分独立するチャンスはあるんだから。
まとめ
独立したい!会社なんて辞めてやる!
誰もが一度は思う事。
でも40代を過ぎて家族がいるのであれば、即断してはいけません。
家族を守ることが最優先。
会社にイヤなヤツがいてもまずはその環境を死守すべきなのです。
後先考えず会社を辞めて家族を防空壕で生活させるわけにはいきません。
ホンキで今独立して勝ち目はあるのか?
将来家族を守れる自信はあるのか?
明確に見えてきてからチャレンジすべきです。
まず辞めてから考えればイイ!
というのは20代、30代の独身の人たちとか、資産がある、奥さんの稼ぎがあるという抑えがきく人たち。
それ以外の人は、まず節子の顔を思い浮かべてみましょう。
節子のような思いを家族にさせないためには、無謀な挑戦をしてはイケないのです。