こんな安月給じゃやってられないよ!
こんだけ働いてるんだからもっと給料上げてくれよ!
会社はオレの価値を正当に評価してないよ!
という思いを持っている人は、転職して年収を上げたいと思うことでしょう。
この手の属性の人たちは、転職理由の一番手に収入増が来るタイプです。
ですが年収が上がるということはどんなことなのか?
もう一度冷静に考えてみてください。
実はこんなリスクが待ち受けているのです。
年収増の5つのリスク
管理職
収入増で転職する場合の多くは、管理職としての採用となります。
給与テーブルがしっかりしている会社の場合、一般社員で採用してしまうと希望の年収を満たすことができません。
そのため、希望年収を満たすために入社と同時に課長、次長、部長といった職責がついた状態での入社となるのです。
仮に転職していきなり部長になったとします。
部長ということは当然部下がいる。
もともといた社員から見れば会社に対して一切実績を上げていない、まったく貢献していない人がいきなり上司になるのです。
こんな人たちを納得させて率いていかなければいけないのです。
長年会社に是移籍して課長から部長に上がれなかったような人は妬みなどを感じるかもしれません。
変につっかかってきて反抗してくるかもしれません。
そこを取りまとめるという無茶な役目を与えておいての収入増なわけです。
管理職待遇で転職するという人は、決して転職先の人間関係は順風満帆ではないことだけはあらかじめ十分理解しておきましょう。
結果
管理職ではなく、あなたの能力が買われて収入増で転職できたとします。
今までの会社では年収450万円だった。
転職したら500万円にあげることができた!
やった!やったー!
と楽観視しているとドツボにはまります。
今までのあなたの年収は400万円だったわけです。
つまりは400万円分の結果を出せばよかったのです。
ところが今度の年収は500万円。
会社としては500万円分の働きをしてくれないと、あなたに100万円もの高いサラリーを与えた意味がないのです。
当然転職先の会社は、あなたに結果を求めます。
前職の時よりも高いレベルの結果が求められるのです。
年収を上げればそれだけ責任も高くなる。
プレッシャーも高くなる。
そんなプレッシャー分が100万円分の年収増ということなんです。
転勤
年収アップで大手企業に転職できたとします。
しかし、大手企業は中小企業とは違い全国各地に支店があったり営業所があったりします。
今までは東京と神奈川にしか事務所がなかったような会社だったのに、年収増の転職先は全国展開なのです。
もちろん当初は転勤は原則なしという話で入社するでしょう。
ですが、事業縮小だとか営業所閉鎖だとかでやむなく転勤を命じられる可能性もなくはありません。
年収増という誘惑だけで大企業に行くのはいいですが、大企業には大企業なりのデメリットがあることも忘れてはいけません。
役職定年
システムエンジニアは客先常駐型のSES業務よりも社内SEという存在にあこがれるものです。
自社の商品を開発し自社で売り自社で勤務する。
もしくは情報システム部の社内SEという道もあるでしょう。
特に大手事業会社の情報システム部門は慢性的に人手不足。
そのため常に即戦力の人材を欲しています。
そんな会社の社内SEになればずっと社内で勤務できるし、収入も上がるぞ!
と浮かれていられるのは40代くらいまで。
大手の事業会社の場合、55歳になると大抵役職を解かれ役職定年を迎えます。
すると収入は一気に激減してしまうのです。
大手の事業会社の情報部門は直接売り上げを上げる部門ではありませんので、一度役職を解かれてしまうと急降下。
もう這い上がることはできません。
契約形態
好待遇で転職というとき、未だによくある話が契約形態の不一致です。
本人は正社員での雇用と認識していたのに、いざ入社の手続きしてみたら契約社員。
3年以上継続した場合正社員への登用ありなんてケースです。
え?そんなん聞いてないよ。
いやちゃんと募集要項に書いてありますよ。
こんなやりとりもう今の時代ないでしょ、と思うかもしれませんが、未だに普通に存在します。
もう会社辞めてきたよ・・と嘆いても後の祭りです。
まとめ
転職して収入を上げるということは、自分を今より高く売るということ。
当然ながらリスクは避けて通れません。
ですが、転職活動の際にキッチリ確認しておけば防げるようなリスクがあるのも事実です。
収入アップだけに目を取られ、ほかのことが目に入らなくなるなんてことがないように!十分注意して転職活動を進めてください。