客先常駐型のシステムエンジニアが客先に引き抜かれるというのはよくある話でした。
でした・・・なんですね。
以前は、こんなことよくあったのです。
ですが、時代は変わり今はなかなか常駐先のお客に引き抜かれるという事は少なくなっています。
なぜ優秀なエンジニアなのに客先に引き抜かれないのか?
客先からの引き抜き
揉めたくない
常駐先の会社は優秀なエンジニアであれば、ぜひわが社に来て欲しい。
という思いは当然あります。
一昔前はガンガン引き抜き行為もありましたが、ここ数年あまり積極的に引き抜きに動くという話は耳にしません。
やはり近年はコンプライアンス等の問題もあり、協力会社と揉める事をまず嫌う傾向にあるようです。
手前味噌ですが、当然私も引き抜き的な話はありましたが、最終的には会社同士のいざこざに巻き込まれたくないらしく、話はとん挫してしまいました。
さらに最近は輪をかけてIT系の会社は人材難です。
常駐先の会社も人材を提供してくれるパートナー企業は数多く押さえておきたいところ。
だから一人のエンジニアのために会社と揉めて取引が無くなる方がマイナスなのです。
そんな影響もあり近年は引き抜き行為は激減しています。
金額が合わない
そもそも金銭面で合意しないことも多いようです。
常駐しているエンジニアの金銭感覚が狂っているもしくは、経営感覚に欠けているのでしょう。
例えば常駐先の会社と70万円で契約しているとします。
エンジニアからすれば、自分の給料が50万円になれば今まで70万円払っていたとすれば20万円も経費削減になるから引き抜いた方がお得でしょ?
と思うかもしれません。
ですが、常駐先の会社でも工数を積んでいます。
今まではパートナー社員としての値段でプロジェクトに参画していたのに、もしプロパ社員になってしまうとその分金額が跳ね上がり、下手すりゃプロジェクトが赤字になってしまうんです。
パートナー時代は、毎月の単金だけで済んでいたのが、社員となった途端社会保険料や退職金などの法定福利費が積み重なりその分経費が高くなるんです。
分かりやすく言えばプロジェクトを月間200万円で請け負っているとします。
今まではプロパ社員さんと常駐しているあなたでそのプロジェクトを請け負っていた。
とすれば、プロパさんの元か100万円+パートナーさんの原価70万円で30万円利益がでていた。
それがあなたもプロパ社員になってしまうと利益はゼロになってしまうのです。
つまりは、社員になった途端あなたは100万円分の働きをしなければイケないのです。
それが出来るような人材じゃないから引き抜かれないだけ。
これまでのように、ただ黙々とエンジニアとして過ごしているあなたの単価は引き抜いた途端高すぎるのです。
調整弁
結局客先常駐型のエンジニアは調整弁なのです。
プロジェクトが絶えず、工数が貼れているうちはいつまでだっていて欲しい。
だけど、背に腹は代えられない時も来るのです。
大規模プロジェクトを逸注してしまい、会社自体の経営が悪化、事業部自体の経営が悪化。
緊急で経費を削減しないと利益が出ない!!
となった時、真っ先に手を付けられるのは常駐しているエンジニア。
特に単金の高いベテランのエンジニアは格好の餌食になるのです。
こればかりは仕方ない。
客先常駐型エンジニアの宿命のようなモノなのです。
今までもあの人いなくなったら困るでしょ?
え?あの人だけはずっと残るでしょ?
という人が経費削減のあおりを受けてプロジェクトを去って行くシーンを何度も見てきました。
客先常駐型エンジニアは工数貼られているうちが花。
予算が無くなればいくら技術があっても、いくら人柄が良くても真っ先に切られる調整弁の役割なのです。
だから限界まで社員として雇いたくない。
優秀なパートナーさんでいて欲しいんです。