働き方改革が進み超絶ブラック企業は確実に減っています。
以前のIT業界はかなり無法地帯でしたが、最近はそんなこともなく、むしろ大手のIT企業はホワイト化しつつあるのが現実です。
でもそんな時代の流れに逆らうように、超がつくほどのブラック中小企業はまだまだ数多く存在します。
筆者が見てきたブラック企業の中でも、こんな会社には絶対に転職したくない、超絶ブラック企業を紹介します。
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超絶ブラック企業
デスマーチって何?
まずIT業界に詳しくない人のためにデスマーチを簡単に説明しておきます。
デスマーチとは「死の行進」を意味する言葉で、過酷な労働条件で対応しなければいけないプロジェクトのことをそう呼びます。
一昔前のIT業界は、仕様変更(開発の途中でお客のワガママで仕様を変えること)という悪魔のような要望がまかり通る世界だったし、明らかに対応不可能なプロジェクトを体力のない会社が受注するのが当たり前の世界でした。
最初からできるわけないじゃん!
そんなん無理に決まってるじゃん!
てなプロジェクトを平気で体力のない会社が受注し、そのしわよせがエンジニアに押し寄せた。
だから未だにIT業界は、残業当たり前!36協定関係ねぇ!というイメージで見られてしまうのです。
でも、多くの会社は確実に変わってます。
IT大手のSCSKは、開発着手後の仕様変更を受け入れないことで、エンジニアの稼働を抑制する取り組みに成功しています。
働き方改革でIT業界は変わってきてるのです。
でも、そんな時代にも関わらずまだまだこんな会社もあるんです。
デスマーチが飯のタネ
一部のエンジニアの過酷な労働で売上の柱を支えている会社がありました。
その会社は、W社としておきます。
W社の社員数は、社長を含めて10名程度。
年商は2億程度とまさしく中小のIT企業です。
メインの売り上げは、他社同様自社のエンジニアを客先に常駐させるSESですが、短期間で一気に売上を上げる時期があるのがW社の特徴。
どうやって一気に売り上げを上げているのか?
それは、体力を無視した無茶苦茶な大型案件の受注。
W社には、大手SIerから一目置かれる超絶優秀なエンジニアが一人いたのです。
そのエンジニアは、大手SIerからかなりの信頼を得ているため、SIerが大型案件を受注すると、そのエンジニアのもとに美味しい話が舞い込んでくるのです。
1年前の春、大手SIerが100億円規模という大規模案件の受注に成功しました。
すると大手SIerは、その大規模案件を30ほどのシステムに分割し、各システムごとの開発を協力会社に委託することにした。
協力会社は、自社の得意分野から1社で1~3程度のシステムを受注していく。
そしてもちろんW社もいくつかのシステムを受注した。
しかしW社の受注量だけは、他社と比較して常軌を逸していた。
なんと、W社は社員数10名という小規模にも関わらず、なんと9つものシステムを受注してしまったのです。
1つでも重たいから大手でも3つくらいにしてたのに、9つって・・・
でも大丈夫。
W社には超絶優秀なエンジニアがいるから。
いやいや、一人じゃ無理だって・・・
そしてプロジェクトが始まった。
開発当初は設計フェーズのため、それほど燃えてはいなかったが、製造、構築、結合試験と進むうちに徐々に炎が大きくなる。
下手にシステムを細かく分割してしまったせいなのか、各社の連携がうまくいかず結合試験がドンドン遅延していく。
そして、その遅延の最大の要因はW社が抱えている9つのシステムだった。
W社が9つのシステムに導入した要因は、わずかに5人。
いくら優秀なエンジニアがいるとしても、ほかの4人は完全な雑魚キャラ。
優秀なエンジニア一人に負荷がかかりまくり、データセンターに連日泊まり込みで作業しなければならない状況となってしまった。
もちろん、ほかの4人の雑魚キャラエンジニアも連日泊まり込み。
ある日、休憩室で朦朧としていた雑魚エンジニアの一人に声をかけてみたら、もう丸5日帰ってない。
先月の残業時間は、200時間くらいかな?もう数えられませんww
ともはや人間の許容範囲を超えていた。
プロジェクトの進行とともに、雑魚エンジニアの疲労の色はどんどん濃くなっていく。
平日の日中帯は、ほぼ舟をこいで居眠り。
すると優秀なエンジニアからこんな罵声を浴びせられる。
「オメー寝てんじゃねーよ!オレの方がお前の数倍働いてんだよ!寝るんならさっさと辞めちまえ!」
昭和じゃない、平成の時代にこんな言葉を生で聞けるとは・・・
衝撃過ぎて夢でも見てるのかと思ってしまった。
デスマーチは限りなく続くかと思われたが、そこはさすがに優秀なエンジニア。
なんとかかんとか形だけは作り、納品へとたどり着くことが出来た。
W社の作業遅延のおかげで、こちらだけでなく他社も相当巻き込まれたが、プロジェクトが終わり、納品さえすませれば各社の目的は達成できる。
燃えに燃えたプロジェクトではあったが、1年後無事ゴールテープを切ることが出来た。
W社は9つのシステム納品分で、年商の半分以上の売上をゲットしていった。
しかし、その代償はあまりにも大きかった。
W社の雑魚キャラのうち主任クラスだった1人はうつ病で出勤できなくなり、1人はプロジェクトの最中に離脱して退職、1人はプロジェクト終了後退職、残ったのは1人だけという悲しい結果となってしまった。
ブラック企業を見抜くには?
こんな社員の稼働数でなんとかプロジェクトを乗り切ろう!なんて会社に入ってしまったら悲劇でしかありません。
でも、そんなん入社前に見極められないし・・・
確かに会社紹介やホームページ、口コミサイトなどではそこまで細かい部分を見極めることは難しいかもしれません。
ですが、ある程度兆候を見つけることは出来るはずです。
まず、社員数の割には売り上げがやけに多い場合は、疑ってみた方がいいかもしれません。
もちろんゲーム開発やWEBアプリ開発やWEBサービスをメインにしている利益率が高い会社もあります。
でも社員数10数名程度の規模で、メイン業務はインフラ構築のような会社であれば、莫大な利益が出るわけがありません。
ですので、社員数の割には利益率が高すぎる会社の場合、面接でどんな業務をメインにやっているのか、しっかりとヒアリングしておきましょう。
社員数10人、インフラ構築メイン、年商2億となると一人あたりの売上は200万円近く・・・こんなに出るわけありませんから。
もう一点チェックポイントとしては、社長の体質です。
社員数数十人程度の会社であれば、社長面接はほぼ確実に実施されるはずです。
そこでチャレンジ精神旺盛すぎて体育会系すぎる社長さんは、根性論で突き進む確率が高いといえます。
論理的で理路整然としていて、自分の守備範囲をキッチリ責めるというタイプの社長は、精神論を嫌う傾向にあります。
前者のタイプの社長は、社員に無理を強いる傾向にありますので要注意です。
まとめ
デスマありきで会社を経営されたら社員は持ちません。
中小企業に勤めているんだから、ワークライフバランスとかキレイごとは言わないけど、人間としての尊厳くらいは守らせてくれ。
労働時間と根性で乗り切る会社に人なんて残りませんから。
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