転職先を選ぶ際に「経営が安定している」という基準を優先する人は多いでしょう。
大企業からスタートアップに転職する、もしくは小さい企業の方が働きやすいし出世が狙えるという考え方の人は別ですが、多くの人は経営の安定を望みます。
そりゃ明日つぶれるかもしれない。
10年後この会社があるかどうかわからない。
なんて会社には転職したくありません。
では、大企業の子会社は転職先としてどうなんでしょうか?
大企業の子会社
子会社と親会社の関係
まず子会社と親会社の関係から見ていきましょう。
もちろん子会社にも元々別会社だった会社を買収した。
親会社から分裂して子会社になった。
親会社の地方の分社。
などいろんなパターンがありますが、あくまでも一般的な子会社のケースを想定して説明します。
子会社と親会社、中小企業に勤めている人間から見ればどちらもあんまり変わらないように見えますが、中に入ってみると決定的に違います。
親会社と子会社では、待遇も収入も何から何まで違うんです。
ある親会社の課長さんの年収は、余裕で1000万円を超えていますが、子会社の課長さんは800万円程度とのことでした。
親会社と子会社では通常数百万円の格差が出てしまいます。
また、待遇面も全然違うんですね。
親会社の下請け仕事しかやってないような子会社は、大企業と直接契約するパートナー企業と大差ありません。
親会社のお偉いさんとか、上司の顔色を伺いながら仕事をしなければならない。
親会社は決められたデスクがあるのに、子会社の社員はあっち行ったりこっち行ったりと親会社の都合で飛ばされたりします。
大企業の子会社って周りから見るほど恵まれた待遇ではありません。
将来どうなるかわからない
子会社って将来の保証は全くありません。
多くの大企業は、時代に応じて、業種の売り上げ状況に応じて、子会社を作ったり、閉鎖したり、合併したり、コロコロと子会社を操作します。
ある日から5つの会社が合併して1つの会社になったり、逆に一つの会社があちこちに分散したり・・
その状況に応じて、勤務先が変わったり、所属する部署が変わったり・・・
子会社って、実はもっとも将来どうなるかわからない存在なんです。
親会社の業績が悪くなれば子会社から整理されますし、子会社自身の業績が悪くなれば、希望退職、リストラなんて話も真っ先に出てくるでしょう。
子会社の社員ってそんな不安と毎日戦いながら働いている人たちなのです。
子会社は安定してるのか?
子会社の経営基盤は大企業ですので、経営自体は安定ていると言えるかもしれません。
ですが、業界自体の調子が悪くなったら真っ先に整理されるターゲットであることも理解しておくべきです。
なので安定を求めるのであれば、むしろ大企業の子会社ならば経営が安定している中小企業の方がいいかもしれません。
子会社のメインの取引先は当然親会社。
親会社の業績が悪くなったからと言ってライバルの会社と取引するなんてことはできません。
中小企業であれば、メインの取引先の業績が悪くなったら最悪ほかの客先を探せばいい。
柔軟性があるのが中小企業。
ですが、大企業の子会社は親会社と運命共同体なんです。
待遇も悪い、収入もよくない、安定感もない。
しかも大企業の子会社の方の話をよく聞きますが、転職者も圧倒的に多いのは子会社の社員なんです。
これが大企業の子会社の実態です。
転職先として魅力的かどうなのか?
それはあなたの判断にお任せします。
個人的な感想としては、入社するなら大企業の本体か中小企業です。
中途半端な子会社への転職は、あまり興味がわきません。