システムエンジニアに残業はつきものです。
重大なシステム障害が発生した時は、朝まで帰れないなんてこともありますし、土日や正月まで無くなることだってある。
それがシステムエンジニアの運命(さだめ)。
もちろん最近は働き方改革の恩恵もあり、以前のようなバリバリブラックな働き方は無くなってはいるが、なぜか優秀なシステムエンジニアの稼働だけが高まり残業が多くなる。
なぜ優秀なシステムエンジニアの残業だけが増えるのでしょうか?
簡単な話、システムエンジニアを管理する立場の人間が実際の現場仕事を理解してないからなんですよ。
優秀なシステムエンジニアの労働時間
優秀なSEとダメなSEの稼働時間
これはある優秀なシステムエンジニアAさんとそうでないエンジニアBさんの月の労働時間です。
Aさん
4月 220時間 残業時間60時間
5月 210時間 残業時間58時間
6月 240時間 残業時間80時間
Bさん
4月 150時間 残業時間6時間
5月 152時間 残業時間0時間
6月 150時間 残業時間2時間
ちなみにAさんは、36協定をオーバーしているため産業医との面談となったようです。
Aさんばかりが毎月何十時間も残業しているのに、同じプロジェクトに参画しているBさんは、ほぼ毎日定時帰りでしかも月に何度か休んでる。
この数字を見ると、何も知らない管理職の人たちは口をそろえてこう言います。
Aさんの仕事(タスク)をBさんに割り振ればイイじゃないか!
Aさんの声を代弁すると・・・
「それができたらこんなに残業してねーわ(怒!!!」
残念ながらこれが現場業務の現実なのです。
管理側の対応はいつもこうなる
現場が火を噴くほど忙しい時、プロジェクトの仕事量はこんな感じになります。
茶碗から溢れんばかりの山盛りごはん状態です。
こりゃ一人じゃとても食べきれない!!
頼む!ヘルプを出してくれ!!
よーしわかった!と管理職が出してくるのがコレなんです。
ん???これ・・・
おちょこじゃねーか!!
管理職的には、人が足りないというから出してやったじゃん。
これでなんとか大盛ご飯を取り分けてよ。
生産性を高めるのもシステムエンジニアの仕事だよ。
という訳の分からないごたくをならべて、わけのわからん対策を打ってくるわけです。
おちょこをいくら並べられても入る量なんてタカが知れてます。
ちょっと取り分けただけでもういっぱいいっぱいになってしまう。
だから、優秀なシステムエンジニアは、常に大きなどんぶりの中が山盛りで溢れかえってしまうのです。
なぜ管理職はおちょこしか用意しないのか?
管理職は現場の状況がわかっていません。
でも、大盛ごはんをおちょこでとりわけでもほとんど入らないことくらいはわかっています。
それでもなぜおちょこばかりよこすのか?
理由はこんな感じです。
- ホンキで現場を知らない
- 人がいない
- 優秀なエンジニアは出したくない
1は前述したとおりです。
実は現実として多いのは2と3です。
まず人出してくれ!と言われても、今のご時世IT業界は究極の人材難ですから、そもそも人自体がいないんですね。
出したくても出せない。ない袖は振れない。
これは致し方ないとあきらめもつきます。
ですが、3のケースは現場で苦しんでいるエンジニアからすればちょっと許せません。
3は、人はいるけど出し惜しみしているということです。
会社としては、優秀なエンジニアにはダメなエンジニアをセットでつけて売り出したい。
ハンバーガーに無理やりポテトとかコーラとかつけて売り出すセット販売です。
これがハンバーガーを2つ出しちゃうと、セットで売りたいポテトとかコーラが売れなくなる。
だから、人はいるけど出したくない。
Aさんが溢れそうなのは分かっているけど出し惜しみしているという訳です。
これね、まだ溢れかえらないウチはいいんだけど、いざ溢れたらどうなると思ってるの?
オレらシステムエンジニアをただの道具だとでも思ってるの?
と、会社をdisりたくなるはずです。
結局のところ会社の管理職というのは、部下の仕事よりも自分の保身が大事ということです。
優秀なシステムエンジニアは、常に仕事で溢れかえるのが宿命ですので、あまり容易に仕事を請け過ぎず、ほどほどで帰る自己防衛能力も身に着けなければイケません。
なぜシステムエンジニアは残業が多いのか?【SEの労働環境の現実】