IT業界で働いてない人にとってはSIerって何だかわからないと思いますが、システムエンジニアの仕事って大きく2つのパターンに分かれるんですね。
- 自社のサービスを提供している会社の仕事
- 自社のサービスを持たない会社の仕事
1の会社の典型は、メルカリだとかAmazonだとかDeNAだとか、サービスとかプラットフォームとかゲームとかを開発して販売・提供している会社です。
2の会社の典型は、CTCとかSCSKとか、自社でもサービスやソフトウェアを作っていますが、最も多いのは顧客の要望に応じて他社製の製品を組み合わせてサービスを提供する会社です。
この2のような会社がSIer(エスアイヤー)と呼ばれる会社です。
視点がさすが。でもSIerも言うほどヤバくないよ。
SIerって本当にヤバいの? ひろゆきが語る、業界ごと沈まないためのキャリア戦略 https://t.co/JdadbBgqTO— ピカタロウ@副業システムエンジニア (@piccataro) August 3, 2019
果たしてひろゆき氏の言うように、このSIerという業態に未来はないのでしょうか?
SIerの未来
SIerの仕事
メルカリみたいに自社のサービスを提供していない、SIerってどんな会社なのか?あまりイメージがわかないかもしれませんので、わかりやすい例を紹介します。
大きな病院をイメージしてください。
最近の病院は、当然ながらIT化され、お医者さんは診察後ほとんどパソコンに向かってカタカタとキーボードを叩いていますよね。
お医者さんが入力したデータが電子カルテとなり、受付に飛んでいき料金を計算したり、薬を調剤したりされます。
あまり詳しくないんですが、医事コンピュータと呼ばれるようなシステムですが、想像しただけでかなり複雑なシステムということはわかるはずです。
このようなシステムを病院にいるシステム部だけで作るコトは出来ませんよね?
病院に在中しているエンジニアは、あくまでもサポートレベルの人ですので、この手の大規模なシステムを請け負うのはSIerと呼ばれる会社です。
SIerに未来はないのか?
確かにSIerと自社サービスを提供する会社では、仕事の質は変わってくるのは間違いありません。
自社サービスであれば、もっとこんな革新的なプログラムを作れば、ユーザビリティが向上し、利用者数も伸びるのではないか?
そんな思考になるでしょうから、システムエンジニアの腕の見せ所ですし、やりがいもスキルも伸びていくでしょう。
一方、SIerの場合は、予め決められた予算の中からどれだけ効率よくサービスを提供できるか?という思考にしかなりません。
本当なら最新のこっちの製品を使った方が操作性も機能性もよくなるし、ノウハウも蓄積してみんなのスキルも伸びるのに・・・
でも予算がないから、古くから使っている実績のある製品しか導入できない。
これではシステムエンジニアの創造性を伸ばすことは出来ないかもしれません。
でもね、SIerがこの先尻すぼみになっていくことはまず考えられません。
その理由はこんな感じ。
- 大規模システムはSIerにしか提供できない
- 要員が確保できない
- 最新トレンドを習得できない
まず日本全国に拠点を持つ官公庁のシステム更改のような仕事は、大手SIerでないと請け負うことは絶対に出来ません。
北は北海道から南は沖縄まで、全国の拠点に機器を配置したり、そんなの資本力があり体力がある大手SIerだから請け負える仕事なのです。
さらに大手SIerは、中小SIerと親密な関係を保っていますので、案件に応じた要員コントロールが可能です。
そしてSIerは、最新トレンド技術の習得に力を入れています。
若手社員やパートナー企業にまで最新技術の習得を促していますので、常に新しいサービスを提供することが可能なのです。
各社は予算削減のため自社で内製したりしますが、やっぱり餅は餅屋です。
ちょっと高くても専門で長年続けている会社にぶん投げてしまった方が、最終的に良い結果になることは明白で巣。
ですので、SIerという業種は確かに消耗する会社かもしれませんが、この先無くなっていくことはありません。
だから今すぐ逃げることはないですよ。
自社サービスを提供する会社のデメリット
自社サービスを提供している会社のデメリットはこちらです。
- 同じ技術しか経験できない
- 自社サービスがコケたらお終い
自社サービスを提供している会社だと、自社で使っているシステムのスキルしか学ぶことが出来ません。
ちょっと時代の先端から取り残された言語を使っていたとしても、その言語のスキルしか伸びません。
SIerのように最先端の技術をいろいろと学ぶことは出来ないんです。
いわゆるつぶしが効かない状況になりがちです。
もう1つのデメリットとしては、自社のサービスがコケたらそれでお終いってコト。
Mixiのような会社がその典型です。
SNSの先駆けとして日本中で大流行しましたが、Facebook、Twitterなどの流れに飲み込まれ、一気にシェアが縮小してしまいました。
ですが、起死回生のモンスターストライクでV字回復。
Mixiの株価も一気に持ち直しましたが、もしモンストがなかったら・・・と思うとゾッとするんじゃないでしょうか?
自社のサービスを提供している会社は当たればデカいけど、当てるのも大変だし、外れたら撃沈というリスクも抱えているって訳です。
SIerへの転職は?
常に新しい技術を学びたい!
どこに行っても通用するスキルを身に着けたい!
という人は、SIerの方が向いているんじゃないですかね?
SIerの仕事がこれから先なくなることはありませんし、まだまだ伸びていく業界です。
自社サービスを提供している会社の求人は狭き門。
もっと間口を広げるためには、SIerという選択肢を視野に入れるべきです。