ITのエンジニアと言ってもいくつかのパターンに分かれます。
- 受託開発
- 自社商品開発
- ゲーム開発
- 客先常駐(SES)
- 社内SE
1は、開発案件を会社もしくは個人で受注しお客様に納品するタイプ。
2は、楽天のような自社のサービスを提供したり、自社で開発しているアプリなどを開発するタイプ。
3は、2と同様ですが主にゲームを開発するタイプ。
4は、SIerのような会社に常駐して開発・構築するタイプ。
5は、情報システム部のような部署で社内で勤務するタイプ。
いろんなタイプがありますが、今回は1の受託開発と4の客先常駐(SES)のどちらが幸せか?にターゲットを当ててみます。
受託開発と客先常駐(SES)
まずは両社のメリット・デメリットから見ていきましょう。
受託開発のメリット・デメリット
受託開発のメリットはこんな感じ。
- 自社・自宅で開発できる
- 利益率が高い(案件次第)
- コミュニケーション不足のエンジニアでも勤まる
- PMスキルが身につく
- 自社のノウハウが蓄積される
- 会社への愛着が強まる
受託開発の最大のメリットは、自社・自宅で仕事ができることと、利益率の高さです。
客先常駐(SES)のエンジニアは、自分の会社にデスクすらないことがほとんどですが、受託ならば自分の会社で仕事が出来ます。
さらに受託の場合、もちろん案件にもよりますが定期的に優良案件を受注できれば、客先常駐(SES)よりも大きなリターンが期待できます。
また、受託開発のエンジニアは、当然ながら見積もりや要件定義などPM的な仕事をしなければいけませんので、PMとしてのスキルは格段に高くなります。
あと会社的に助かるのは、コミュ力が異常に低いエンジニアも活用できること。
コミュ力が低くてもスキルが高いエンジニアは、逆に受託開発をメインにしている会社にとっては大きな戦力なんですね。
受託開発のデメリットはこんな感じです。
- 売り上げが安定しない
- 炎上しがち
- セキュリティが面倒
- 客先交渉のストレスが溜まる
- やりたい仕事ができない
受託開発ってどうしても波があるので、売り上げは安定しません。
それと一番のデメリットは、客先との交渉のストレスです。
お客は簡単に要件を変更してきたりしますし、すぐにコストダウンを要求してきます。
また最大のデメリットとしては、自分のやりたい仕事が出来ないコト。
自分はPHPが得意でPHPの開発案件をやりたい!と思っていても、受注する案件がJAVAでの開発なら自分がJAVAに寄せていくしかありません。
受託開発は好きなことができると思っている人が多いんですが、意外とそんなことないってことは理解しておいた方がいいです。
客先常駐(SES)のメリット・デメリット
客先常駐(SES)のメリットはこんな感じ。
- 売り上げが安定する
- プレッシャーが低い
- 最新のスキルが身につく
- 大企業のオフィスに通える
- 大規模案件を経験できる
会社的には客先常駐(SES)の方が毎月安定した売り上げを期待できるので経営的にはこちらの方が楽です。
エンジニアにとってのメリットとしては、案件次第になってしまいますが、最新のスキルに触れることができたり、自社の受託では出来ないような大規模案件の経験を得ることができます。
もっとも大きいのはプレッシャーが低い事。
客先常駐(SES)は、必然的に商流が遠くなりますので、直接仕事を請けている訳ではないのでその分重圧からは遠いところで仕事ができます。
ただデメリットが多いのも客先常駐(SES)の特徴なんです。
- 利益率が低い
- 転職率が高い
- スキルに偏りができる
- ノウハウが蓄積しない
- 会社への愛着がなくなる
いろんなデメリットがありますが、何よりも会社への愛着が無くなることが大きなデメリットかもしれません。
客先常駐(SES)で働いているエンジニアの中には、年に1度も会社に戻らないという人もいるくらい、会社との距離が離れてしまいます。
そのため、どうしても転職率が高くなってしまうんですね。
受託開発と客先常駐(SES)結局どっちがイイのか?
結局のところ受託開発と客先常駐(SES)どっちが幸せなの?
これって人によって違うと言うのが正解なんですが、以下4点だけは確実に言えます。
- 長く客先常駐(SES)をやってきた人はずっと続けた方が幸せ
- コミュ障の人は受託開発が幸せ
- インフラエンジニアは客先常駐(SES)の方が幸せ
- 転職を繰り返したくない人は受託開発の方が幸せ
長く客先常駐(SES)でエンジニアをやってきた人は、ちょっと自社で受託開発できる会社に憧れるかもしれません。
ですが、受託開発と客先常駐(SES)のエンジニアって業種は一緒でも、仕事の内容がガラリと違うんですね。
客先常駐(SES)で長くやってきた人は、どちらかというと受け身なのであんまりガンガンと前に行くタイプじゃない。
そんな人は、大企業のデスクでぬくぬくと働く方が居心地がイイと思いますよ。
あとインフラ系のエンジニアは、受託開発には不向きです。
インフラエンジニアを必要としているのは、大規模案件を抱える大企業ですので、インフラの人は受託に憧れない方がイイです。
逆にコミュニケーションに一切自信がないという人は、受託開発の会社を狙いましょう。
客先常駐(SES)は、大企業の社員や顧客とのコミュニケーションが必須ですので、人付き合いが苦手な人には不向きです。
あとは一度勤めたら出来れば長くその会社に居続けたいという人も、受託開発の会社の方が向いてます。
客先常駐(SES)の会社は、どうしても会社に対する愛着が薄れますので、じっくりと腰を落ち着けたい人は受託開発の会社が幸せだと思います。
結論
受託開発にも客先常駐(SES)にもメリット・デメリットがありますので、どちらが幸せとは言い切れません。
ただ、自分のタイプにあった会社を選ばないと不幸になるのは間違いありません。
一度エンジニアとして勤めてみて、自分がどっちに向いているのか?適性を判断してみましょう。
客先常駐(SES)タイプの方が向いているのに、単なる憧れだけで受託開発の会社に入ってしまうと後々苦労するのは目に見えています。
逆もまたしかり。
自分のタイプをしっかりと見極め、タイプに応じた会社を選ぶことが最大の幸せなんだと思います。