三菱電機の新入社員に対するパワハラが社会問題になっています。
自殺した社員だけでなく、1割以上の社員が精神疾患で休養しているという情報もあるようです。
日本の大企業は組織の仕組み上ストレスが溜まるんだよ。
三菱電機新入社員、社内発表会の直前に自殺:日本経済新聞 https://t.co/0hX9cG8aoL— ピカタロウ@副業システムエンジニア (@piccataro) December 8, 2019
なぜ三菱電機のような大企業でこのような事態が発生してしまうのか?
様々な理由はあると思いますが、日本型大企業の組織の欠陥にあるのではないでしょうか?
三菱電機に限らず日本型大企業が抱える組織の仕組みをご紹介します。
目次
日本型大企業の組織
人気企業に入社すれば幸せなのか?
多くの大卒社員は、できるだけ大きな会社、市場が伸びている会社に入社したいと考えます。
人気企業ランキングを見れば一目瞭然。
名だたる大企業ばかりですね。
ちなみに今話題になっている三菱電機さんは34位とこちらも人気企業になっています。
人気の大企業に入ればこんなメリットがあります。
- 収入が高い
- 安定している
- 将来性がある
- 福利厚生面が優遇されている
- ホワイト企業
- 倒産しにくい
ですがせっかく大企業に入ったのに精神疾患で休職⇒退職に追い込まれたり、サービス残業が続いたり、ストレスで追い込まれてしまう社員も少なくありません。
なぜ希望の大企業に入ったのに幸せになれないのか?
それは日本型大企業特有の組織にあるのだと思われます。
なぜ日本型大企業の仕組みはストレスが溜まるのか?
なぜ日本型大企業はストレスが溜まるのか?について深堀りしていきます。
ピラミッド型が社員を圧迫する
大企業はこのようなピラミッド型の組織体制になっています。
もっと細かくすると本部長とか、部長補佐とか、課長代理とか、次長などの役職を採用している会社もあるでしょうが、大きく分類すればこんな感じ。
このピラミッド型組織構成が社員を苦しめる元凶なんです。
- 主任は課長に怒られたくない!
- 課長は部長に怒られたくない!
- 部長は事業部長に怒られたくない!
- 事業部長は・・・
自分より上の職位の人間に怒られたくないから部下に無理難題を押し付けるようになるのです。
そんなんで部長が納得すると思う?
事業部長が承認すると思う?
役員会で通ると思う?
企画や資料のレビューを重ねるごとに要求が高くなっていき、責任を取りたくない!怒られたくない上司の無茶ぶりばかりが降り注ぐ。
これが日本型大企業の典型例です。
スケジュールがあり得ない
例えばこんなシステムの開発スケジュールがあったとします。
一般社員はこのスケジュールを上司に承認してもらい遅延がないように業務を遂行します。
ですが、このスケジュールはあくまでも表面上のスケジュールです。
日本型大企業の場合、表向きのスケジュールともう一つのスケジュールが存在するのです。
例えば上記のスケジュールなら2020年2月までに要件定義を固めればいいことになります。
実はこの要件定義フェーズが完了したことの承認をもらうために、いろんな手続きが必要になるんです。
課長のレビューを受け、部長のレビューを受け、その上の本部長・事業部長の昇進を経て、ようやく1つのフェースの承認が完了します。
その段階ごとの承認をもらうために、スケジュールはどんどん前倒しで進めなければイケないんです。
ただでさえカツカツのスケジュールなのに、面倒な承認というタスクが割り込んでくるので、スケジュールはどんどんタイトになっていきます。
常にスケジュールに追われる生活で、大企業の一般社員は日々疲弊していくのです。
若いのに責任を押し付けられる
大企業の社員は、若いうちから重い責任を負う業務を押し付けられます。
システムエンジニアの世界でいえば、中小企業の新卒社員は、みんなテストだとかドキュメント作りだとか監視だとか、プレッシャーから解放される仕事を回されます。
ところが、大企業の場合は、1年目から上流工程の仕事を覚えさせられますので、当然ながら責任も重い仕事をしていかなければなりません。
顧客と折衝し、予算を決めて、スケジュールを組み、体制を決めてプロジェクトを切り盛りしていく。
20代そこそこの若い社員には相当厳しい業務ですが、給料の高い上流工程の仕事を任されるのだから、1年目も何年目も関係ないってことですね。
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もちろん大企業の方針に水があい、さほどストレスを溜めずに生活を送っている人もいます。
ただ、日本型大企業には、上述したような組織上の歪みがあることは紛れもない事実です。
人気の企業、大企業に入ることだけが幸せではありません。
自分の性格や自分のストレス耐性に合致した会社を選ばないと、大きな後悔をすることになるかもしれません。
就職・転職する企業はブランドだけで決めちゃダメです。
大企業ならではの風土、中小企業ならではの文化など、あらゆる角度から分析して、最も自分に合った会社を選ぶこと。
これができてこそ就職・転職が成功したと言えるんじゃないでしょうか。
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