新型コロナウイルスは、ついに東京都知事から直々に自粛要請が出るほどの事態にまで深刻化してしまいました。
まさか、こんな記事を書く機会がくるなんて思ってもいませんでしたが、今大企業だけでなく中小企業でも在宅ワークの導入が求められる状況になっています。
とはいえ、中小企業には在宅ワークを導入するような体力も資本力も技術力もないのが現実です。
ここでは、中小企業でも極力低コストでかつ、セキュリティを維持した在宅ワークの導入方法をお伝えします。
コロナでテレワークブームになったのはイイけど、中途半端な企業が生半可な知識で在宅ワーク推奨しちゃうと、コンピュータネットワーク上にウイルスばら撒いちゃう危険が高まっちゃうんだよね。
こんな時こそ強いITスキルが社会を守る。— ピカタロウ@副業システムエンジニア (@piccataro) March 25, 2020
セキュリティ対策をせずに在宅ワークを進めると悲惨なことになりますので要注意!!
目次
中小企業向け在宅ワーク
在宅ワークに必須なモノ
在宅ワークに最低限必要なモノは以下になります。
- パソコン
- Office
- 業務系ソフトウェア
- インターネット環境
- セキュリティ対策
この前提を元に解説していきます。
政府の在宅ワーク導入支援
政府から中小企業に対する在宅ワーク導入支援のための資金補助が用意されているようです。
詳しくは経済産業省から公開されている資料をご覧ください。
簡単に実現したいのならOffice365
もっとも簡単に在宅ワークを導入するのならMicrosoftのOffice365が手軽です。
Office365を導入すると、インターネットを閲覧するGoogleChromeなどのブラウザからExcelやWord、PowerPointやOutlookというMicrosoftの定番製品を利用することが可能です。
さらにOneDriveというファイル共有サービスを利用することができますので、お手軽にファイルサーバを作ることが出来ます。
追加機能としてTeamsというリモート会議ツールも利用できますので、自宅からリモートで会議に参加することも可能です。
Office365があれば、自宅のパソコンからでも操作が可能ですので、もっとも手軽に在宅ワークを提供できます。
資本的余裕があるのならシンクライアント
もし資金的に余裕があるのであれば、シンクライアント導入が最もセキュアな選択肢です。
シンクライアントというのは、パソコンがインターネット上にあってそのパソコンにリモート接続して操作するシステムです。
本体のパソコンはインターネット上のクラウド環境にありますので、ネット環境さえあればどこからでも仕事をすることが出来ます。
[シンクライアントのメリット]
- データの漏洩リスクがなくなる
- インターネット環境があればどこからでも仕事ができる
- セキュリティを強化できる
- パソコンが壊れてもデータを保持できる
- パソコンの複製が容易
セキュリティ面を考慮するとシンクライアントが最も優れているのですが、今のところ導入コストはちょっと高めです。
通常のパソコンなら10万円前後で購入可能ですが、シンクライアントの場合もろもろ含めると30万円程度のコストがかかります。
ここをクリアできるのであれば、シンクライアントの導入を検討してみましょう。
リモート会議
在宅ワークをする場合、定期的に会議に参加してもらう必要があります。
リモートで会議をする時に利用するツールは、Office365のTeamsが便利です。
Office365を導入してない場合は、Zoomというリモート会議用のツールが今多く利用されています。
小規模であれば月額2,000円程度なので気軽に利用できるのが魅力です。
会社の会議室にマイク機能があるスピーカーフォンを設置してください。
スピーカーフォンは、ケチって安いのを買ってしまうとノイズがひどくて会議になりませんので、ここはちょっと良いモノを買っておくことをおススメします。
最低限の業務をするならVPN接続
最低限の業務だけを在宅で許可するのなら、VPNを使ったファイルサーバへのアクセスになります。
VPNというのは、インターネット上に自分だけのトンネルを作り、ほかの人はそのトンネルをくぐれないようにする方法と考えてください。
VPNによる通信だけ許可しておけば、誰もがインターネットからアクセスすることはできませんので、最低限のファイルサーバのセキュリティは守れます。
VPNを導入するなら一番簡単なのは、VPN対応ルータを社内に設置することです。
VPNの設定はブラウザから簡単にできますので、それほど難しくはありません。
社内にファイルサーバがないという会社は、NASと呼ばれるファイルサーバを購入してください。
ファイルサーバへのアクセスはこちらの記事が参考になります。
RTX1200 VPN経由で外出先からファイルサーバにアクセスする
社員に与えるパソコンはchromebook
社員がパソコンがないというケースも多いと思います。
てゆーか、可能であれば社員の個人パソコンの利用は推奨しません。
今時サポート切れのWindowsVistaとか普通に使っている人イッパイいます。
そんなセキュリティすかすかのパソコンから、社内ネットワークにアクセスされたらせっかくセキュアに構築した社内ネットワークがウイルスでボロボロに破壊されてしまいます。
社員にパソコンを貸与するのなら、chromebookで十分です。
前述したOffice365を導入すれば、パソコンにOfficeをインストールすることなく最低限の業務はできますし、chromebookなら5万円以下でサクサク動くパソコンを購入できます。
インターネット環境はモバイルルーター
在宅ワークで必須なのはインターネット環境です。
ですが、スマホ世代の若者たちは自宅にインターネットを引いていないというケースも結構あります。
インターネット環境は、モバイルルーターを貸与する形で十分です。
モバイルルーターは、会社で購入しておいて、在宅ワークの期間が終わったら改修して保管しておけば、また利用する機会は訪れるはずなので、複数用意しておいても損をすることはないと思われます。
まとめ
中小企業が在宅ワークを始めるのは簡単なことではありませんが、今この状況をチャンスととらえ今のうちに環境を整備しておくことを推奨します。
この先在宅ワークが当たり前の時代に突入していくことは、もはや避けられない未来ですので。