不況になるとITエンジニアSES・派遣会社はどうなるか?【リーマンショック体験談】

新型コロナウイルスの影響は、予想以上に拡大し、世界経済に大きな打撃を与えています。

現時点で確実にリーマンショック以上のインパクトが出ている状況ですから、この先深刻な不況が訪れる可能性が現実味を帯びてきました

深刻な不況になったとき、ITエンジニアを客先に常駐させているSES・派遣系の会社はどうなってしまうのか?

リーマンショックを肌で感じた経験をベースにお伝えしてみます。

不況になるとエンジニアはどうなるのか?

不況になると真っ先に実施されること

経済危機が発生すると、まず企業は余分な経費の削減しにかかります。

  • 広告費
  • 交際費
  • 交通費
  • 残業代
  • 外注費

自分の会社の社員の給料すら危ういのに、外注に人たちにお金払う余裕なんてなくなってくるのは当然です。

MEMO

日本は法律上一度社員として雇用した社員を解雇するのは非常に困難なため、派遣社員・委託社員などが調整弁として利用されてしまいます。

大手企業は、自分の会社が生き残るため、自分の会社の社員を守るため、派遣・SESで常駐している社員を一気にリリースする可能性が高いのです

リーマンショックが起きたらどうなったか?

実際にリーマンショックが起きた時どうなったか?

当時、自分が所属していた会社は、右肩上がりで売り上げを伸ばしていましたが、リーマンショック発生後、ある大手取引先に常駐していたエンジニアが一斉に契約を解除されてしまいました

契約を解除されたエンジニアの共通点はこちらです。

  • 一つの会社に集中して常駐していた
  • IT業界未経験者
  • スキルもなく常駐先の業務しかできなかった

IT業界未経験者を大量にかき集めて、大した研修もせずに目先の売り上げだけを求めた結果、スキルのないエンジニアを大量に産んでしまい、そのエンジニアたちが会社の首を絞める結果となってしまったのです。

契約を解除されたエンジニアたちは、いわゆる「待機」の状態になり、ただ毎月給料だけを受け取る不良在庫になってしまったのです

元々無理やり会社を急成長させてしまったため、体力も資金力もなかった会社は、一気に倒産の土俵際まで追い込まれてしまいました

会社はどうやって生き延びたのか?

毎月の給与支払いが会社の売り上げを上回るようになり、会社は完全に瀕死の状態になってしまいました

このままの状況が数か月続けば間違いなく倒産ですが、なんとか会社は倒産は免れ生き延びることはできました。

会社が延命できたのは、当時特例措置としては発令された雇用に関する助成金

労働者を解雇しなければ、助成金が出る仕組みで、その助成金によりなんとか首の皮一枚つながることが出来たのです。

ですが、会社が倒産しなかった理由は、助成金だけによるものではありません。

どんな不況時でも解約されないエンジニアが多数存在したコトも会社が延命できた大きな理由です

不況になっても解約されないエンジニア

いくら不況になっても、ITシステムの仕事は無くなることはありません。

プロジェクトを回すためには、優秀なエンジニアの力は必要不可欠です。

ですので、どんなに苦しくても腕のいい、経験値の高いエンジニアがリリースされることはほぼありません

つまり、こんなエンジニアなら不況におびえる必要なんて無いんです。

  • 希少価値が高いスキルを持っている
  • エンジニアとしての経験値が高い
  • 高度な資格を所持している
  • 特殊能力を持っているエンジニア
  • 問題解決能力が非常に高いエンジニア

不況になるとどんな会社が危険なのか?

それでは、不況になった時どんな会社が真っ先に危なくなってしまうのでしょうか?

それは以下のような条件を満たしている会社です。

  1. 未経験エンジニアをかき集めている
  2. 財務力が脆弱
  3. 社員数が多いわりに売り上げ・利益が低い

この3つの条件をすべて満たしているような会社は、これから先かなり厳しい局面を迎える危険がある会社です

前述したとおり、スキルの高い経験値の高いエンジニアは、不況になってもビクともしません。

真っ先に整理の対象となるのが経験値の低いエンジニアですので、未経験者大歓迎という看板を掲げて未経験エンジニアをかき集めたような会社は、一気に階段を転げ落ちるかもしれません

また、社員数が300人、400人と多いのに売り上げが10億、20億と社員数の比率にそぐわないような会社は、社員一人当たりの利益が少ない会社ですので、この手の会社も一気に追い込まれる危険が高いと言えます。

自分が所属している会社の特性を把握し、会社の状況をリアルにウォッチしておくことをおススメします。

まとめ

これから先の経済がどうなるか誰にも予測できません。

ただ1つだけ言えるのは、不況に負けないスキル・資格を身に着けることです

どんな状況になってもスキルがあれば生き残れます。

貴重な資格を持っていたら生き残ることが出来ます。

不況になってからじゃ手遅れです。

今からでも十分間に合いますので、生き残れるスキルを身に着けることを強く推奨します。