年収が上がれば転職は本当に成功なのか?【参考になる転職先の選び方】

年収が大きく跳ね上がると「転職に成功した」と言われることがありますが・・・

本当に年収が上がれば転職は成功なんでしょうか?

決してそんなことはありません。

むしろ年収増だけを追い求める転職は高確率で失敗します

年収が上がるとどんなことが起きるのか?

年収増だけを追い求める転職の危険性をお伝えしてみます。

転職は年収だけで決めてはイケない理由

年収が上がるというコト

まず「年収が上がるというコトはどういうことなのか?」転職先を決める前にもう一度よく考えて見てほしいのです。

会社には役職という立場があり、給与テーブルというモノが存在します。

今の会社で主任クラスの仕事をしていた人が、100万円近い収入増に成功したとします。

というコトは、今の会社では主任クラスの立場でよかったけど、次の会社では課長以上の立場を求められるというコトです。

一般的な会社は、一般社員から年次を重ねるごとに徐々に職位が上がっていき、主任⇒係長⇒課長⇒次長⇒部長⇒事業部長⇒役員のように階段を登っていくシステムになっています。

転職で一気に給与が上がるコトは、一気に職位が上がるコトとほぼ同じ意味合いです

つまり今の会社の5年くらい先輩の上司がやっていることを今すぐこなさなければイケないということ。

これって結構きついプレッシャーなのです。

年収を一気に100万円引き上げた会社員の末路

40代半ばのシステムエンジニアWさんは、100万円近い年収増をゲットして転職しました。

Wさんは、20年近い経験の現場たたき上げのエンジニアだったので、転職市場でも高い評価を受けました。

ところがWさんは、現場の経験は豊富なんですが、マネジメント能力に関しては著しく低かった

それなのに転職先では、部長クラスの待遇で入社しちゃったのです

転職先からは「エンジニアのスキルはあって当然、君に期待したいのはもっと上のレベル」とエンジニアスキルだけでなくマネジメント側の能力も求められるため完全にミスマッチ。

慣れないマネジメント業務をやりながらなんとか仕事は続けていましたが、結局転職先から高い評価を受けることはできず、3年も経たずに降格処分となり収入は下がってしまいました。

年収を上げるというコトは、それだけ強い期待を背負わされているというコトは忘れてはイケません。

年収だけじゃない転職先の選び方

1割程度の年収増が最適

転職で年収を引き上げる場合は、現状の年収から1割良くても2割くらいがベストと言われています

いきなり一気に引き上げてしまうと、上述のWさんのようなミスマッチが起こる可能性が高くなるからなのでしょう。

転職にはリスクがつきまといます。

今まで元の会社で積み上げてきた実績を投げ打って転職するのだから、高いリターンを求めたい気持ちも理解できますが、あまり欲張ると後々ツライ思いをする可能性が高くなってしまうのです。

年収よりも重視するポイント

転職は、年収を引き上げることも重要ですが、年収をそれほど引き上げなくても転職で成功を勝ち取るコトは十分可能です

  • 元の会社よりも将来性がある
  • 元の会社よりも給料の上げ幅が期待できる
  • 元の会社よりも安定している
  • 元の会社よりも働きやすい

転職を成功させるためには、もちろん年収増も必要ですが、年収は上がったけど会社が傾きだした・・・では全く意味がありません。

むしろ今とそれほど年収は変わらないけど、会社の成長曲線が良好で、数年後を見据えたら年収増が期待できる。

というのであれば、かなり転職では勝ち組になれるはずです

今とそれほど立場は変わらずに収入が上がり、さらに将来的ビジョンも良くなるのであればこれほど良い話はありません。

あえて年収を下げた転職

中にはあえて年収を下げて転職に成功した人もいます。

知人のSさんは以前年収1千万円近く稼いでいましたが、休みもほとんどなくプレッシャーも酷く精神的も肉体的にも限界を迎えてしまいました。

そこであえて大きく年収を下げてでも健康で勤められる会社を探し、転職を決意しました。

年収は半分近く減ってしまいましたが、転職後1年もすると昔のような笑顔が戻り精神的にも肉体的にも健康な頃の姿が戻ってきたんだそうです

年収を上げるだけが転職成功に繋がるワケではないのです。

結論

もちろん年収を上げることは非常に重要です。

だからといって転職の理由が年収増になってはイケません。

年収はあくまでも転職の要素の1つであり、全てではないのです。

その点を考慮しエージェントと連携しながら自分に最適な転職先を探してみてください。