新型コロナウイルス接触確認アプリ(COCOA)がAndroidで正常稼働していないコトが判明したそうですね。
現役のシステムエンジニアの本音を言わせてもらうと「そりゃそーだよ」という気持ちです。
そらそーだろw
平井大臣 COCOA出来良くない 2021年2月9日 https://t.co/QeYt4JDu2V— ピカタロウ@副業システムエンジニア (@piccataro) February 9, 2021
新型コロナウイルス接触確認アプリ(COCOA)がAndroidでまともに動いて無かったらしいけど、まぁ官公庁から発注されてるシステムなんてそんなもんなんだよね。
自分が開発に関わったシステムも緊急時ちゃんと動くかドキドキしてるエンジニアはイッパイいると思うよw— ピカタロウ@副業システムエンジニア (@piccataro) February 11, 2021
過去にもミサイル発射情報などを検知して警報を鳴らすJ-ALERT(Jアラート:ジェイアラート)とか、緊急事態に利用されるシステムが動かなかったという話はよく耳にします。
なぜ高い税金を払って作ったシステムが正常に稼働しないのか?
システムエンジニア側から原因を解説してみようと思います。
目次
官公庁のシステムが正常稼働しない理由
要件が厳しすぎる
官公庁から発注されるシステムは、ガチガチの要件が提示されています。
- 強固なセキュリティ
- 厳格なソフトウェア管理
- 厳正なドキュメント
そのため、一般企業から発注されたシステムよりも開発工数が必要以上にかかってしまいます。
官公庁から発注されているシステムは、世界中のハッカーからターゲットにされてしまうのである意味仕方がないんですが・・・
二重三重に制御されたセキュリティ対策の上で動作するシステムを求められるので、開発・試験工数が嵩んでいきシステム開発者は必然的に疲弊していきます。
ピカタロウ
エンジニア側からすれば「ここまでする必要あるの?」と思ってしまう気持ちはぶっちゃけあるんですが・・・仕方ないんですよね。
とはいえ、もう少し要件を緩和していかないと時代の流れに応じた迅速なシステム開発は難しい気がします。
納期が厳しい
官公庁のシステムは、一般のシステムよりも長めの期限が定められているケースが多く、納期としては多少余裕があります。
ですが、上述したように要件が厳し過ぎるため結果として納期に追われることになり、期限ギリギリのせめぎ合いになってしまうのです。
特にCOCOAの場合は、新型コロナウイルスという緊急事態に対応するためにかなり厳しい納期を求められたのではないでしょうか?
ピカタロウ
COCOAは、1回目の緊急事態宣言が解除された後すぐにリリースされましたが、個人的にはよくこの短期間で納品したなぁ・・・
ただその分いっぱいバグを抱えてそうだなぁ・・・というのが第一印象でした。。
あれだけの期間で官公庁から発注されて作ったシステムがまともに動くはずないだろ!と思っていたのですが、結果的に悪い予感は的中してしまいました。
官公庁に専門家が少ない
コレは以前から言われていたことですが、発注する側の官公庁に専門家が少ないというのも大きな原因でしょう。
もちろん昔と違い、今は官公庁にもシステムの担当者はいるんですが、知識だけは豊富だけど実際の経験値が足りない人が多いのかもしれません。
ピカタロウ
官公庁にはIPAの資格を数多く取得していたり、セキュリティ対策の知識が豊富な人は数多くいらっしゃいました。
ですが、ゴリゴリとプログラムを書いていたとか、サーバ・ネットワークを一人で作っていたというような実業務の専門家はいないようでした。
GAFAMで経験を積んでいたとまで言いませんが、せめてトップクラスのIT企業でシステム開発の経験を積んだ人が担当になれればまた違ってくるのでしょう。
この辺は新たに創設されたデジタル庁に期待しましょう。
顧客目線で開発されていない
残念ながら官公庁から発注されたシステムは、顧客目線で開発されている訳ではありません。
受注側もどれくらいダウンロードされたらこんだけ儲かるという意識で開発することはなく、どうしても「要件を満たしたシステムを納品すればそれでお終い!」という意識で作ってしまいがちです。
そのため、顧客目線が足りなく、インターフェースも粗末になり、結果ユーザが満足するようなシステムにならない!という悪循環に陥ってしまいます。
ピカタロウ
コレは残念ながら改善するのは難しいかもしれませんね。
公共事業がユーザー目線にならないのは、何もITシステムだけじゃありませんが、個人のスマホで利用するようなシステムですので、もう少しユーザ目線を重視する必要はあるのかもしれません。
運用・保守費用が足りてない
今回COCOAがAndroidで正常稼働していなかった原因は、システムリリース後のアップデートがおざなりになっていたのが原因だと思われます。
てことは、あくまでも推測になりますが運用・保守の費用が十分貰えてなかったのではないでしょうか?
短期間で納品したシステムですので、おそらくバグだらけで運用・保守エンジニアはバグの回収でてんてこ舞いだったことは容易に予想できます。
バグの回収に精一杯でアップデートにまで手が回らなかったのかもしれません。
ピカタロウ
官公庁のシステムに限らず、運用・保守は軽く見られるケースが多いんですよね。
本当に大事なのは開発が終わった後のメンテナンスなのに・・・
まとめ
様々な原因が重なり、官公庁が発注したシステムが緊急事態に思うような動作をしてくれないのが今の実状です。
世界から取り残されていると言われる日本のIT事業がこのままでイイ訳がありません。
官民一体になって日本のITシステムが世界と対等に戦えるようになってくれることを願ってやみません。
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